理事長のご挨拶

弁護士として刑事裁判に関わった経験上からは、今の日本の刑事裁判は、果たして裁判という名に値するのだろうかと思うことが多々ありました。国側の裁判当事者である検察官は、公費で活動している上に、警察という大きな組織体が証拠収集に協力してくれます。他方で、弁護活動の大半は、低額な報酬で経済的な制約の多い国選弁護によって担われていて、裁判の当事者たる被告人は、身柄を拘束されて、弁護士との打ち合わせも制限されていることがほとんどという人質司法がまかり通っています。日本の刑事裁判は、対等当事者が事実を争うという裁判というものではなくなってしまっていると言っても過言ではないように思うのです。
そこで、我々は、日本の刑事裁判の現状を少しでも変えるべく、先端的な刑事弁護活動を行っている著名なアドバイザー弁護士の協力を得て、弁護活動の後方支援を行ったり、鑑定などの費用の援助などの資金提供を行う財団を設立しました。
財団が関わった案件では無罪判決もでるなどの成果も既にでてきています。今後も積極的な利用を期待しております。


先端的弁護による冤罪防止プロジェクト実行委員会 委員長
一般財団法人プロフェクト大谷司法支援基金 理事長
白 浜 徹 朗